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は行ま行や行ら行わ行

【かう】 『かける』という意味。または『(ボタンを)留める』という意味。
「鍵をかう」とか「ブレーキをかう」というように使います。「背中のボタンかってくれる?」などとも使います。
【がおして】 『我慢して』『辛抱して』のこと。
「もうちょっとだ、がおしてやれや」は、「もう少しだから、我慢してやろうよ」という意味です。
【かくねる】 『隠れる』の意味。
犯人を追い詰めた刑事が、「かくねてないで出てこーい」というような使い方をします。
【かしがる】 『傾いている』の意味。
「あの家は、かしがってる」と言ったら、「あの家は、斜めに傾いている」という意味です。
【~かっか】 『~でしょう』『~するつもり』と言う意味で語尾につけます。
例えば、「連れて行かっかと思うがね」と言ったら、「連れて行こうと思います」の意味になります。
【かてる】 『仲間に入れる』『加える」こと。
「オラも、鬼ごっこにかてとくれや」と言ったら、「私も、鬼ごっこの仲間に入れてください」の意味になります。
【かまう】 『いじめる』『意地悪する」こと。
「小さな子を、かまっちゃいけねえぞ」は、「幼い子どもを、いじめちゃいけないよ」の意味です。[かまう]には標準語で「からかう」の意味もありますが、これが転じたものと思われます。
【~かやぁ】 「そうかやあ」は「そうかなあ」の意味。
語尾につけて使います。良く似たものに【~さやあ】 というのがあり、こちらは「そうさやあ」で「そうだよ」という意味を表します。
【からかみ】 『襖(ふすま)』のこと。
もともと中国渡来のいろいろな模様のある紙(唐紙)のことですが、その紙を張った襖そのものを指して呼んでいます。
【がわた】 『外側』『表向きに見えているもの』『外皮』のこと。
「がわたは、いいんだけどね」と言ったら、「外側(見てくれ)は、いいんだがね」の意味になります。
-き-
【きびしょ】 お茶をつぐ『きゅうす』のこと。
-く-
【ぐざる】 『叱る』『いましめる』ことです。
「この悪い子め、ぐざってやろうか」のように言います。さらに「きつく叱る」ことを「ぐざりあげる」と言います。
【くちばた】 『口のまわり』のこと。
【くつばす】 『くすぐる』こと。
くつばされてくすぐったいのは「くつばい」。
【くねっぽい】 『子供が成長して大人っぽくなった』こと。
親戚などが集まったときに、「あれぇ、〇〇ちゃん、くねっぽくなったねぇ」とように使います。女の子の場合が多いようです。
【くれる】 『差し上げる、もらう』という意味。
この言葉一つに両方の意味(give と get)があります。「それ、くれる?」という質問に、「うん、くれるわ」と答えます。
【くべる】 火にものを入れて燃やすこと
「こんな生木をくべちゃあ、いけねじ(いけないよ)」という使い方をします。
【くれる】 標準語でいう『呉れる』、つまり「やる」「与える」のことですが、「花に水を、くれる」「犬に餌を、くれる」などのような言い方もします。また、名詞化して、「作物の水くれはすんだかい」というような表現も使います。
-け-
【けえる】 『帰る』の意味。
「家にけえる」などといった言い方をします。「家に、けえる」、「不良品を、けえる」「たまごが、けえる」など「帰る」「代える」「孵る」などの「カ」を「ケ」に換えていろんな場面で使われる面白い言葉です。似たものに【へえる】というのがあり、こちらは『入る』といった意味で、「家にへえる」などといった言い方です。
【げえにする】 『強くすること』『無理やりすること』
使用例 暗がりの男女、女「そんなにげえにしなんでや、やさしくしましょ(してね)」
【けちい】 『けちくさい』の意味。
気前が悪く、ケチなこと。「あの人は何にたいしてもけちい」といった使い方をします。
【けぶい】 『けむたい』
使用例 たき火のけむりが目に入って「けぶい、けぶい!」

-こ-
【ごうがわく】 『腹がたつ』こと。
【こく】 『~を言う』という意味。
少し荒々しく、あるいは不機嫌なニュアンスを含みます。後項の【ごた】と組み合わせて「ごたをこく」つまり「少し無理で変なことを言う」といった言い方をします。嘘をつくことを「嘘をこく」といいます。
【ごしたい】 「あ~、ごしたい」は「あ~疲れた」という意味です。
その変形に【ごしてえ】というのがあり、どちらも本当に疲れたという感じが良くでています。
【こす】 『つくる』こと。
料理を作ることに使うことが多い。同じ意味で「こせる」「こさえる」もよく使います。
【こすい】 『ずるい、わるがしこい』という意味。
「あいつはこすいことばっかしやがって」などという使い方をします。ただし、強く批判するのではなく、相手を許せるニュアンスを含んでいます。
【こずむ】 『(液体の中に沈殿物が)沈む』こと。
料理教室で「中身がこずんだら火にかけましょう」などという使い方をします。
【ごた】 『やんちゃで手に負えない』様子や状態のこと。
「ごた(っ)小僧」というような使い方で、性分などを慣わしています。「馬鹿なこと言うな」は「ごたこくでねー」といいます。
【こっぱずかしい】 『とても恥ずかしい』こと。
「こんな派手な服着てこっぱずかしいわー」というような使い方をします。
【このがる】 『前屈みになること』です。
足下に落ちている物を、「このがって拾って」というような使い方をします。
【こびっちゃく】 『この野郎』の意味。
ケンカ中に「はっつけるぞ、こびっちゃく!」などといいます。
【こまっしゃくれる】 『小生意気』
「隣の子は、こまっしゃくれた息子だよ」「そんなこまっしゃくれた事を言うな」という使い方をします。
【ごまざり】 枯れ葉やゴミなどをかき集める『くまで(熊手)』のことです。
語源はおそらく「ごみさらい」で、それが短く変化して「ごまざり」になったと思われます。
【こわい】 『食べ物が固い』という意味。
例えば「この肉はこわくて噛みきれない」といった言い方をします。
【こん】 「こと」の意味。
例えば「心配なこんだねえ」と言ったら、「心配なことですね」の意味です。
【こんさ】 『ことよ』のこと。
お礼を言われて「いーってこんさ」などと答えます。
【こんぼこ】 『赤ちゃん』『乳飲み児』のこと
「まあ、なんて可愛い、こんぼこじゃねえかい」といったら、「まぁ、なんて、可愛い赤ちゃんですこと」の意味になります。