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記事を使った日本語教材 日本語学習と情報提供に

深澤常子さん(長野市)

ぎっしり説明が書かれた新聞を活用した日本語教材

 長野市中部公民館で、週1回、中国・タイ・アメリカ・ニュージーランドの生徒に「外国人のための日本語教室」のボランティア講師をしている深澤常子さん。市販の教材では味わえない実践的な日本語の教材として、日常の生活に役立つ言葉が豊富に出てくる新聞記事に注目し、これを使った手作りのテキストを講座で活用している。

 テキストはB4判の紙に信毎の記事を張り、余白に記事に使われている難しい語句を説明したもの。幹事にはすべてルビを付け、その意味に加え、同義語や類義語、対義語といったことまで載せ、分かりやすく説明している。
 深澤さんが教えている受講生は上級者だが、実践での日本語を教える良いテキストがなかなか無いという。新聞記事のテキストは、その点、日本語の勉強ばかりか情報提供にも役立つ。

 深澤さんはテキスト作りのために、毎日、新聞の隅から隅まで目を通し、受講生の共通の話題、役立つ情報の記事を探す。根気がいる作業だが、それでも深澤さんは、テキスト作りが楽しいという。
 「新聞を読むことが私のリラックスタイムです」と深澤さん。小学6年生から新聞に親しんできたので、海外旅行などの長期旅行でも、帰ってから新聞の紙面に目を通さないといられないほど。新聞への愛着がなければ、時間のかかるテキスト作りはできないことだ。

 「授業の間にいろいろな国の事情を聞くことも楽しみです」と言う深澤さん。受講生も新聞を読む習慣ができたと喜ぶ。
 「熱心に来てくれる生徒さんに励まされて続けてこられました。必要とされる間は講師を続けたいですね」
 お互い深いきずなで結ばれている以上、深澤さんのテキスト作りはまだまだやめられそうにない。