Top » 新聞の音読 » 脳のメカニズムから分析

音読トレーニングで”能力”が上がる理由

音読は脳の広い範囲を活発に働かせますが、脳をよく働かせることが、どうして能力アップにつながるのでしょうか?そもそも音読が他の日常的な作業に比べて脳をよく働かせるのはなぜでしょうか?音読が脳に与える影響を徹底分析してみましょう。

脳の交通網が整備される

脳の中では、1000億個ともいわれる神経細胞がそれぞれ突起を伸ばして、他の神経細胞と網目のようにつながっています(下図の下)。これを神経ネットワークと呼んでいます。脳が働いているときは、このネットワーク内を情報が行き来しています。
 行き来する必要があるのは、下図の上のように脳内ではそれぞれの仕事を行う場所が細かく分かれていて、互いの情報を交換することで、はじめて問題を解決したり、行動するための指令を出すことができるからです。
 「音読」して、脳の広範囲をいつも活発に働かせていると、ネットワーク内の情報が前よりも盛んに行き来するようになります。脳はよく利用されているネットワークの網目を増やしたり、太くして、交通網を整備します。その結果、脳内の情報はより流れやすくなり、脳の働きもよくなるというわけです。

司令塔「前頭前野」も活発化

このネットワーク内の情報を統合しているのが「前頭前野」です。例えば視覚野で見たり、視覚野で聞いた情報を統合し、どう処理すればいいのか判断します。記憶する必要があれば、蓄えろと命令し、記憶したものをどのように使うか決めるのも前頭前野の仕事です。音読は、この脳の中枢、前頭前野を特に活発に働かせるため、能力アップに大きく貢献しているのです。

音読が遺伝子を刺激する?

音読がなぜこれだけ脳をよく働かせるのか、実はまだよくわかっていません。ヒトが今のような人間になったのは、ひとつにはコミュニケーションのために「言葉」を使うようになったことがあげられます。これが遺伝子に刻まれていて、音読という、言葉に触れ、言葉を発する作業に出あうと、脳が勝手に反応して、よく働き出すのではないかと考えられています。

脳のメカニズムから分析

毎日、音読をする

脳のさまざまな場所が動く


情報の流れがよくなる


「脳力」がアップする!